倉庫、仮設事務所、仮設住宅、物置、輸送用などとして使用されているコンテナ。コンテナ内の温度を一定に保つことで、暑さによる品質劣化を防ぐことが可能です。ここでは、さまざまなコンテナの暑さ対策について解説します。
コンテナとは、貨物を入れて輸送するための入れ物のことです。貨物列車や船、トレーラーなどに積まれているのが一般的。倉庫、仮設事務所、仮設住宅、物置、トランクルームなどとしても使用されています。
コンテナは、アルミニウムやスチールなどの金属で作られています。日射を遮る屋根がなく、天井や壁に断熱材が入っていないことがほとんどです。さらに密閉性が高いため、日射や外気温の影響を大きく受けてしまうのです。真夏は、コンテナ内の温度が40℃を超える※ことも珍しくありません。
コンテナの一般的な暑さ対策は、以下の通りです。
遮熱材とは、日射の一部を反射し、室内の温度上昇を防ぐ素材のことです。アルミ箔を加工したシートと塗料の2種類があり、適切に施工することで、日射を遮り、輻射熱によってコンテナ内が暑くなるのを防ぐことが可能です。
これに対して放射冷却素材は、物質が外に熱を出して冷える「放射冷却現象」を再現した素材のことです。太陽光と大気からの熱をブロックし熱吸収を抑えるだけでなく、放射冷却によって熱を宇宙に逃がすことで、ゼロエネルギーで外気温よりも温度低下することができます。
シートや塗料、テントなどさまざまな種類がありますが、おすすめは粘着付きのフィルムタイプ。コンテナに短時間で貼り付けられる上、フィルム自体にデザインを施すことも可能です。

SPACECOOL社は本田技研工業と共同で、コンテナハウスの遮熱対策の導入効果について実証実験を行いました。遮熱対策が施されていない一般的なコンテナと、遮熱塗料を全面に塗ったコンテナ、SPACECOOLの放射冷却素材を施工したコンテナの3つで比較しています。結果、SPACECOOL放射冷却素材を施工したコンテナが最も消費電力を抑えられ、遮熱塗料コンテナと比較すると33%減、未施工コンテナよりも46%もの消費電力が削減できました。
車両コンテナの屋根に遮熱塗料を塗装しました。施工前のコンテナの表面温度は39.2℃でしたが、施工後は23.6℃に。冷凍車内の温度も約7℃〜8℃下がり、予冷運転も約1時間減らすことができました。
暑さ対策にはさまざまな方法がありますが、工場・倉庫でまず行いたいのが遮熱対策です。遮熱とは、外の熱が室内に入るのを防ぐことです。
夏場の強い太陽光によって屋根や外壁は非常に暑くなりますが、遮熱対策をすることで、その熱が室内に伝わらないようにすることができます。工場・倉庫では、特に熱を持ちやすい「屋根」「窓」「機械」に遮熱対策をするのがおすすめ。以下で詳しく見ていきましょう。