失敗しない!工場・倉庫の遮熱対策ガイド » 工場・倉庫の暑さ対策のポイントと事例 » 危険物倉庫の暑さ対策

危険物倉庫の暑さ対策

目次

防爆対策を徹底しなくてはならない危険物倉庫。暑さ対策をしようにも、「どう対策すればいいか分からない」とお悩みの担当者様が多いようです。そこでおすすめなのが、放射冷却素材を用いた暑さ対策です。ここでは、しっかりと効果を実感できる危険物倉庫の暑さ対策について解説します。

危険物倉庫が暑くなる原因

危険物倉庫とは、火災や爆発、有毒ガスの排出など、災害につながる危険性がある物質を保管する倉庫のことです。具体的には、危険物を製造する施設、危険物を貯蔵する施設、ガソリンスタンドなどの取扱所などです。

危険物倉庫の屋根は、金属を折り曲げて波状にした折板屋根。金属が剥き出しの状態のため日射・外気の影響を受けやすく、夏場は表面温度が最大80℃になることもあるそうです。熱は温度の高い方から低い方へ移動するため、折板屋根の下では屋根の温度が空間に伝わり、室温が上がってしまいます。

また、危険物倉庫では開口部がほとんどなく、熱がこもりやすい構造です。エアコンも容易に設置できないため、従業員は過酷な温度環境の中で作業をしなくてはなりません。

危険物倉庫の暑さ対策とは

危険物倉庫で暑さ対策を行う際に大切なのが、防爆対応の機器を選ぶことです。防爆とは、危険物が爆発したり、火災の原因になったりしないよう配慮された製品のこと。危険物倉庫では、保管する物質によって爆発や火災が起こる可能性があるため、火花が散ったり高温の状態が発生したりしない電気機器・設備を設置しなくてはなりません。

おすすめなのが、室温を上げる原因となる屋根を冷やす対策です。遮熱シートや遮熱塗料を屋根に施工することで、日射を遮り、輻射熱によって倉庫内が暑くなるのを防ぐことが可能です。

近年注目の放射冷却素材も効果的。放射冷却素材とは、物質が外に熱を出して冷える「放射冷却現象」を再現した素材のことです。太陽光から入る熱より放射する熱を大きくすることで、高い遮熱効果を実現しています。シートタイプや塗料タイプなどさまざまな種類がありますが、ルーフシェードなら、折板屋根を覆って日射を遮ることが可能です。

危険物倉庫の暑さ対策事例

1日3回の着替えが必要なくなった

塗料ディーラーの中島商会は、約600㎡の床面積を有する自社の危険物倉庫にて、暑さ対策として遮熱塗装を施工。施工前の庫内の最高温度は45.9℃でしたが、塗装後は36.1℃を上回ることがなくなりました。日中フォークリフトで荷捌きをする社員は「午前、昼、午後と1日3回シャツを着替えていたが、必要なくなった」と発汗量の違いを実感しています。 

参照元:Coating Media (https://www.coatingmedia.com/online/b/post-1515.html)
2024年10月25日時点。

輸送・保管のリスクを軽減

リチウムイオン電池の静脈物流ソリューション「LiBerthリバース」にて放射冷却素材「SPACECOOL」を採用。LiBコンテナ(20ft)の表面に施工したところ、夏場でも内部温度を35℃以下に保つことができました。これにより、リチウムイオン電池の輸送・保管のリスクを大きく軽減することが期待されています。

参照元:SPACECOOL (https://spacecool.jp/news/20240904/)
2024年10月25日時点。
【目的別】
工場・倉庫の遮熱対策を比較

暑さ対策にはさまざまな方法がありますが、工場・倉庫でまず行いたいのが遮熱対策です。遮熱とは、外の熱が室内に入るのを防ぐことです。
夏場の強い太陽光によって屋根や外壁は非常に暑くなりますが、遮熱対策をすることで、その熱が室内に伝わらないようにすることができます。工場・倉庫では、特に熱を持ちやすい「屋根」「窓」「機械」に遮熱対策をするのがおすすめ。以下で詳しく見ていきましょう。