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工場・倉庫の屋根・天井の暑さ対策

生産性の低下や熱中症の発生などを引き起こす、工場・倉庫の暑さ。対策をしようにも、「広すぎて効果が薄い」「効果的な対策がわからない」と頭を悩ませている担当者様が多いようです。

そこでおすすめなのが、放射冷却素材を用いた暑さ対策です。ここでは、しっかりを効果を実感できる工場の暑さ対策について解説します。

工場の屋根・天井が暑くなる原因

工場の屋根・天井が暑くなる原因として考えられるのが、屋根の素材と面積です。

工場の大きな屋根はトタン、ガルバリウム鋼板、アルミなどの金属や、セメントと繊維材料で作られた波型スレートなどで作られるのが一般的。これらは熱伝導率が高く、直射日光で夏場は70度~80度※にまでなることがあるようです。 屋根の表面温度はすぐ裏に伝わり、室内に向かって強い輻射熱を放出。これにより室内の温度が上昇してしまうのです。

※参照元:BXカネシン (https://www.kaneshin.co.jp/support/solution/details.php?n=1003082)
2024年10月25日時点。

工場の屋根・天井の暑さ対策とは

工場・倉庫内で効果的に暑さ対策をするなら、まずはこの屋根から伝わる輻射熱を防がなくてはなりません。代表的な対策は、以下のとおりです。

屋根用スプリンクラーは、屋根に散水を行う設備です。打ち水と同じ原理で、屋根の温度上昇を防ぐことができます。

日射を反射する遮熱材、熱の移動を妨げる断熱材を屋根に施工するのも手段の一つ。屋根材を二重構造にして内部に断熱材を施すことで、屋根の熱が建物内部に伝わるのを防ぐことができるでしょう。

特におすすめなのが、放射冷却素材の使用です。放射冷却素材とは、物質が外に熱を出して冷える「放射冷却現象」を再現した素材のこと。太陽光から入る熱より放射する熱を大きくすることで、高い冷却効果を実現しています。屋根に施工すれば、天井から伝わる熱を減らし、室内の温度上昇を抑制消費電力と電気代を大幅に削減することが可能です。

コンクリート屋根の遮熱対策

工場や倉庫の屋根は夏場に70〜80℃まで加熱され、特にコンクリート製では熱が夜まで残り続けることも。これが室温上昇と熱中症リスクを引き起こし、作業効率にも悪影響を及ぼします。

2025年6月の法改正により、暑熱対策は企業の義務となり、屋根の遮熱性向上がWBGT値の低減手段として注目されています。なかでも放射冷却素材は、太陽光を反射しつつ熱を放出することで、冷房負荷の軽減やCO2削減にも貢献します。

コンクリート屋根の遮熱対策について詳しく見る

陸屋根(ろくやね)の遮熱対策

水平な面を持つ平らな屋根を「陸屋根」と呼びます。人が屋根に上がりやすく、簡易的なガーデンや洗濯スペース、ウッドデッキなど多目的に活用できる点がメリットです。また、雪の滑落リスクが低く、太陽光発電の設置にも適しています。

「イノベーションプルーフRR」シートで-20℃の温度差を確認

この事例では、陸屋根1面に放射冷却機能付き防水シート「イノベーションプルーフRR」を施工。建物内の温度上昇抑制と消費電力削減を目的に、シート裏面の温度を計測したところ、約-20℃の温度低下を実現しました。

工場の屋根・天井の暑さ対策事例

放射冷却素材で-15℃の温度差を確認

Honda寄居工場において、建屋間通路の外壁と屋根に放射冷却素材を施工。施工エリアと非施工エリアで天井内部の温度を計測したところ、1日の最高気温の時間帯に約15℃もの温度低下を確認することができました。  

参照元:SPACECOOL (https://spacecool.jp/solution/building/)
2024年10月25日時点。
【目的別】
工場・倉庫の遮熱対策を比較

暑さ対策にはさまざまな方法がありますが、工場・倉庫でまず行いたいのが遮熱対策です。遮熱とは、外の熱が室内に入るのを防ぐことです。
夏場の強い太陽光によって屋根や外壁は非常に暑くなりますが、遮熱対策をすることで、その熱が室内に伝わらないようにすることができます。工場・倉庫では、特に熱を持ちやすい「屋根」「窓」「機械」に遮熱対策をするのがおすすめ。以下で詳しく見ていきましょう。