暑い夏を迎えるにあたって、工場や倉庫では従業員の健康を守るためにも遮熱対策を行うことが必要です。そこでこちらの記事では、遮熱工事に適した施工時期や工期などについてまとめています。これから倉庫や工場の遮熱工事を検討している方、夏の暑さ対策を行いたいと考えている方は、ぜひこちらの記事を参考としてご活用ください。
工場や倉庫における遮熱対策を行う際、施工に向いている時期は「2月~5月(秋や冬も含む)」とされています。この時期に工事を済ませておけば、本格的な夏が到来した初日から遮熱効果を享受でき、さらに梅雨や台風による工期遅延のリスクも避けられます。
以上の点から、夏に向けた遮熱対策は暑くなってから慌てて行うのではなく、早めの段階で計画的に進めていくことが重要です。
2月〜5月にかけての施工がおすすめである理由としては、大きく3点挙げられます。
1つ目の理由は、気候が安定しておりスムーズに工事を進めやすい時期であるためです。春先は比較的極端な暑さや寒さの日は少なく、さらに長雨が少ない点から、塗料の乾燥やシートの接着不良などのトラブルが発生しにくいと言えます。
2つ目の理由は、早めに施工を終えておくことで、次の夏の猛暑に備えられるためです。しっかりと対策を行っておけば、暑さが本番になってからの空調コスト削減と従業員の熱中症予防を行えます。
そして3つ目の理由が、遮熱シートなどを使用して施工を行った場合には、冬場の底冷えや結露対策としても効果を発揮するという面があるためです。室内の暖かい空気を外に逃さずに冷気を遮断しますので、2月など肌寒い時期に施工を行うことで防寒対策としてのメリットも期待できます。
以上の3つの理由により、工場の遮熱対策は2月〜5月の施工が推奨されています。
夏場(夏季)の遮熱工事が困難になりやすいとされていますが、これには理由があります。
まず業者の繁忙期であるという点です。夏前〜夏本番の時期には、「暑くなったから対策をしたい」という駆け込み需要で受注が極端に集中します。この点から希望するスケジュールでの施工が難しくなることが多くなるため、すでに暑い時期になっているにもかかわらず施工を行うまでに時間がかかります。
さらに、労働環境の問題も挙げられます。屋根の上での作業は非常に高温の環境で行われます。場合によっては60℃以上になることもある過酷な環境です。作業員の安全面を考慮するために日中の施工時間を大幅に制限している業者や、夏場の施工そのものを受けていない業者もいるほどです。
以上のような理由から、「夏場(夏季)の施工が困難になりやすい」とされています。
工場や倉庫の遮熱工事は、あらかじめ余裕を持って動くことが大切です。
一般的なスケジュール感としては、問い合わせから始まり、施工を行う現地の調査、見積もり、契約、実際の施工完了(竣工)といった流れを経ることになり、通常は2ヶ月程度の期間を想定しておくことが必要です。
もし、繁忙期である夏場に施工を依頼した場合には、3ヶ月以上かかるケースもあります。つまり、依頼する時期によっては暑い時期に施工が間に合わない可能性もあることから、夏の猛暑に合わせた対策を行いたいと考えている場合には、逆算して余裕を持ったスケジュールを立て、早い段階で業者に問い合わせを行っておくことがおすすめです。
遮熱対策は、必ずしも建物全体に対して行うのではなく、分電盤や室外機など熱を持ちやすい特定の設備などに対する局所的な遮熱対策を行うという方法もあります。このように、小規模な施工であれば大掛かりな足場の組み立てが不要となるケースもあるため、最短で1週間ほどの施工期間(工期)で完了することが多いといえます。
工場や倉庫の屋根(例えば100m2ほど)といったように、建物レベルの施工を行う場合には、目安として「作業員3人×3日間程度」の施工期間(工期)がかかります。これは、足場設置や高圧洗浄などの工程も含んだ期間です。もし稼働中の工場に対して施工を行う場合には、業務への影響をできる限り抑えられるように、休日を利用して分割施工を依頼するなどの対策が必要です。以上の点から、稼働中の設備へ施工を行う際には、より余裕を持った工期の設定が求められることになります。
| 種類 | 特徴・メリット | 施工期間の目安 | 耐用年数 |
|---|---|---|---|
| 放射冷却素材 | 太陽光を反射するだけでなく、素材自体が持つ熱を宇宙空間へ逃がし、直射日光下でも外気温より表面温度を下げる | フィルム型の場合は貼付施工のため、建物規模によるが1日〜数日程度が一般的 | フィルム:10年相当 高耐久フィルムやマグネットシート:15年相当 ※使用環境により変動 |
| 遮熱塗料 | 屋根の塗装に使用し太陽熱を防ぐ塗料。ウレタン系、シリコン系、フッ素系、無機系など、塗料のグレードに合わせ予算や耐久性を選べるのがメリット | 一般住宅の塗装工事の場合、約10〜15日程度が目安 | ウレタン系:約5〜7年 フッ素系:10年〜15年 無機系:15年以上(※最も長寿命な素材) |
| 遮熱シート・フィルム | アルミバリア層で輻射熱を強力に反射する薄型素材。釘や金具不要で屋根材へのダメージや追加重量が最小限で済み、工場の稼働を止めずに静粛な施工が可能 | 屋根や窓への貼付施工のため数時間〜数日程度(規模による) | 10年以上(一般的な金属バリア層を持つ構造により劣化要因を抑えるため) |
工場や倉庫での遮熱対策を行いたい場合には、気候が安定している点に加え、業者のスケジュールも抑えやすい2月〜5月に行うように計画を進めていくのがおすすめです。逆に夏場は業者が繁忙期を迎える時期であることや、屋根の上は高音となり過酷な労働環境となるため施工が難航します。通常は発注から施工完了までは2ヶ月程度が目安であるものの、繁忙期には3ヶ月以上かかるケースもあり、依頼のタイミングによっては暑さが本番を迎える夏に間に合わない可能性があります。
また、工事の規模によっても施工期間は異なってきますので、実際に必要となる期間は業者にしっかりと確認することが大切です。
暑さ対策にはさまざまな方法がありますが、工場・倉庫でまず行いたいのが遮熱対策です。遮熱とは、外の熱が室内に入るのを防ぐことです。
夏場の強い太陽光によって屋根や外壁は非常に暑くなりますが、遮熱対策をすることで、その熱が室内に伝わらないようにすることができます。工場・倉庫では、特に熱を持ちやすい「屋根」「窓」「機械」に遮熱対策をするのがおすすめ。以下で詳しく見ていきましょう。